歌劇『ルサルカ』プロジェクションマッピング制作

2014年度に続くびわ湖ホールとの連携事業。演出家の中村敬一氏より再び声がかかり、今度は、前回の『天国と地獄』の四幕を全て担当した大内清樹(おおうちきよき/メディアデザイン領域3年生)さんに対して「是非一緒にオペラをつくりたい!」という熱烈なオファーでした。その内容はドヴォルザーク作曲 歌劇『ルサルカ』の全編に渡っての映像イメージ制作で、前回に引き続きプロジェクションマッピングでの表現によるものでした。『ルサルカ』の世界は森と湖が中心であり、中村氏の舞台プランは天上から映像を投影し、その画像サイズにあわせたハーフミラーを客席に向けて画像が映り込む様に設置するものでした。
5月から大内さんを交えた打ち合わせが始まり、7月には映像の方向性を中村氏のチェックを経て決定し、映像制作をほぼ10月に完了させ納品を終えました。中村氏の演出は舞台に立つキャストに対して厳しいと聞いていたこともあり、「直ぐにはOKがでないのでは?」とドキドキしていたのですが、「イヤーッ、大内君は勘がいいですね!」という言葉をいただくことができました。12月の本番で全貌を見る事が出来た瞬間は、感動と感激を超える達成感を関係者全員が獲得していたように思います。それぞれのプロフェッショナルが自分のパートを完璧に仕上げ、その結集がオペラの素晴らしさであり、生でしか味わえない事に人間のつくる総合芸術の可能性を感じました。
終演後、「技術が進化することで我々の仕事はまだまだハードルが上がって行くね!」と中村氏がつぶやいておられたのに対して、大内さんが「えっ!」と驚いていた様子が印象的でした。

プロジェクト