医療デザインプロジェクト

近年、医療関係からのデザインに関する依頼や相談が増えています。2015年度は滋賀県内に留まらず他府県の企業からの依頼もあり医師や技術者と連携した取組みに発展してきています。三重県の機械製造メーカー株式会社DHSとの連携事業はリハビリロボットのボディデザインとタッチパネルのインターフェースデザインに着手しています。専門の医療機関や大学とも連携しているため、様々な問題をクリアしながら取組む研究に発展しています。
京都府の株式会社島津製作所とはクリニック仕様でレントゲン機器に貼付けるシールデザインに取組みました。クリニックのレントゲン室は狭く閉塞感が漂います。また撮影時には患者さんが一人、部屋に取り残され、怖い感じになると考えます。そこで機器本体に物語が設定された面白いイラストレーションやグラフィックデザインを施し、狭い空間が別世界になるよう心掛けました。大人も子供も緊張しないで済むデザイン提案は大変好評で、他の医用機器への展開も検討が進んでいます。
滋賀県内の取組みでは、引き続き滋賀県吸入療法連携フォーラムの「肺の力ゲーム」の改良版デザインや守山市の耳鼻咽喉科からの、待合室で親子に見せる花粉症などの「予防の仕方」コンテンサイネージの制作を行いました。新たな挑戦では草津市に開業されるクリニックの内装とロゴのデザインもチャレンジしています。ここでも患者さんの立場に立って考えつつ、医師の診察や対話がスムーズに行える事が優先事項としてあげられました。医療の現場においてデザインが与える影響にまだまだ可能性を感じているところです。

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