マルシェア -種-

2015年度から始まった、コミュニティデザイン実践系のプロジェクト授業。由井真波(総合領域客員教授)先生を迎え、地域の依頼からコミュニティ形成のプロセスを経てデザインに落とし込む授業に取組んだ。
今日マルシェは様々なコンセプト、場所、コミュニティで形成されている。ここでは美大生が琵琶湖を前にして滋賀という場所で取組むところに特徴がある。前期はマルシェ(仏語で市場の意)が何なのか、リサーチを行いその有効性や未来社会の可能性を探り、自分たち学生のコンセプト構築に取組んだ。後期は秋の芸術祭に合わせて実践に取組む。コンセプトリーダー、出展者との交渉班、マルシェのデザイン班と3つの大きなグループにわかれ、それぞれのグループが連携しながら進行した。滋賀県は自然に恵まれながらも都市圏と接している事から情報交換も盛んで衣食住の関心が高いと考えられる。
県内で地域の産物や安全で美味しい食材、料理を主としたマルシェが多く企画されていることから、学生は、「売り手、買い手」に対して「作り手、暮らし手」を提唱し、更に双方が近づき対話の「種」がそこから広がる場をつくるというコンセプトを構築した。自治体に申請する書類手続きや出展者との様々な調整など、新しい事に直面する事が多く一つひとつが社会の仕組みを知る事となり、身を以て経験することができた。
また周辺の様々なデザインを組立てる事で自分たちの意図や考え方を伝え、来場者への導きを意識することとなった。

プロジェクト